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2014年5月25日日曜日

パラブーツがリゾート靴化してきた? 今季はホワイトソールものに注目です。


パラブーツといえば、1919年にレミー・リシャールポンヴェールによって創業されたフランスの老舗シューズメーカーで、もとは登山靴ブランドです。そんな登山靴ブランドが、今季は舵を切り替えたかのようホワイトソールものを多数発表し、リゾートシューズの雰囲気を盛り込んでいきています。
確かにチロリアンシューズにホワイトソールというのは、なかなか見ない面白い取り合わせです。



ちなみにパラブーツといえばエルメスのカジュアルシューズを生産していたことでも有名です。それだけに靴作りやその職人的技術は高く、「PARA-TEX」という名称のこのラバーソールも自社生産しています。靴はノルウェジャン製法とグッドイヤー製法。しっかりとした靴作りが続けられています。

トップ写真で掲載しているモデル「MIRABEAU」は、チロリアンシューズの定番「MICHAEL」のラストをそのまま用いています。履き口をコーティングキャンバス生地に切り替えているのがデザインのポイント。オイル含有率の高いカーフスキンアッパーは、濃厚で上品な色艶があり、肉厚で丈夫な作りになっています。
ほかにも山で作業をするキコリのために靴の着脱がしやすいよう造形されており靴紐を緩めるとそのまま履き口が大きく開くよう計算されていたり、フロントとヒールでセパレイトした仕様になっていたりと、作りへの配慮が細かいのです。





履き心地、歩きやすさに対する評価は世界トップといも言われています。そんな頑固な職人気質の靴に、リゾートライクなホワイトソールが意外と似合うのです。



靴の世界はフェティッシュな魅力がありますね。
このあいだポルペッタの関係者と話していたら、服なんかと違って、靴は作りそのものがデザインにかかわってくるので、靴職人じゃない靴デザイナーというのは、原則あり得ないということだそうです。

マルジェラのコルク靴がカッコ良くて、当店でも売ってたりするんですが、履き心地はというとイマイチなところがある。マルジェラファンの間でもそれは言われていて、やっぱりマルジェラは靴職人のブランドではないから、と。

これです。でもやっぱりカッコいいのでこんな靴もたまには、と思いますが。





2014年5月21日水曜日

クールビズ特集③こんなクールビズはイヤだ!&半袖シャツ篇


こんなクールビズはイヤだ!

何度も言いますが、クールビズのクールは涼しいじゃなくて、カッコいいという意味です。
涼しげにすればいいと思って、ただのダッサイビズになってしまうサラリーマンが続出するのもこの時季です。あくまで「クール=カッコよく」お願いします。
こんなダッサビズになっている人、いませんか?


★ シャツテイルなのに裾をパンツインしていない
★ 煙草でシャツポケットがパンパンに膨らんでいる
★ スラックスにスタッズ付きのベルトを締めている
★ AC/DCのギタリストをクールビズだと思っている
★ シースルーシャツで乳首が透けている
★ シャツ下のインナーTシャツに、相田みつを先生の言葉がプリントされている★ 服がやたら濡れている。

というわけでクールビズ連載企画、第3回目がスタートしました。





今回のお題は「半袖シャツ」

半袖シャツと言えば、クールビズの主役アイテムです。でもこれが実はなかなか着こなしが難しいのです。
まずチェックしたいのは袖口周り。ここがパッカリ開いてしまうようなものはアウトです。オシャレさんたちのあいだで何かと「半袖シャツはダサイ」と囁かれてしまうのは、この袖口のためと思ってよいでしょう。
ということはつまり、むしろこの袖口をこなせれば、キュッと締まった男を演出できるはず!
と、その見本がこれです。
袖口がキュッと締まって腕のラインに沿っていますね。


さらに、小紋のようにフラワー刺繍を施しているのもクール度高いです。
こんなカジュアルシャツはうちの会社では無理?
いやいや、時代は動いていますからね、これくらいのテンションは今年あたり見せていきたいところです。


使用アイテム
» 半袖シャツ(ポッジャンティ1951)
» ベルト(ティベリオ・フェレッティ)
» ボトムス(メイソンズ)
» ジャケット(イレブンティ)


ポロシャツの一覧はこちらで見れます


連載はこちらのページでまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
» クールビズ特集のページ




春夏ジャケットを主役にしたコーディネート集

01

> 綿麻混 3つボタンジャケット/ BOGLIOLI




02





03




04




05




06

> ストレッチパンツ/ G・T・A
> デッキシューズ/ Luca Bossi
> 綿麻混ストール/ BARBA



07

> ストレッチパンツ/DOLCE&GABBANA
> 内羽根式シューズ/ CROCKETT&JONES
> ベルト/TIBERIO FERRETTI
> ブリーフケース/Valextra




08

> クルーネックTシャツ/NeIL BarreTT
>ボタンフライ イージーパンツ/ MONCLER
> ミドルカットスニーカー/Springcourt



09




10

> ハーフパンツ/ショーツ/SIVIGLIA
>キャンバススニーカー/ SUPERGA
> トートバッグ/BALLY







2014年5月15日木曜日

ポルペッタ:遊びは、もっと真剣な行為じゃないのか?




足元が主役! 大人のファンタジーシューズ

今、ほとんどの人が遊びという言葉を勘違いしている。
友だちと酒を飲む。彼女と食事に行く。踊りに行く。ハズしの効かせたオシャレをする。そんな折々に、冗談を飛ばし合う。
つまり、何気なく、軽く、自分をこの世界に泳がしてみる。
人はそれを遊びと言う。
遊び?
違う。それは日常の延長、安全な日々の行為だ。
遊びは、もっと真剣な行為じゃないのか?
それは時に社会通念に対して博打を打つことじゃないのか?
自分が本当に信じることのできるもので自己を勝負することじゃないのか?
その友人関係は次会って酒を飲めば亀裂が生じるかもしれない。なぜなら掛値なしで互いを語る腹づもりだからだ。今度踊りに行けば人は廃人になるかもしれない。なぜなら本気で舞踏の魂へ自己投入するからだ。
服や靴も同じこと。
かつて、その服、その靴を身に纏うということが、そうした人生を選び取ることを意味した時代があった。そこには本当の遊びが潜んでいたはずだ。そして生き方と直結した身のこなしを、人に与えたはずだ。
「ちょっとオシャレにハズしを効かせて」
そんな生ぬるい態度は通用しない。
今、人はもっと、本気で遊ばねばならない。


ベルベット素材の靴を外履きに使う。これは本気だ。

貴族の紋章や伝統柄が刺繍された、まるでルームシューズのような外履き靴。海辺をひたひたと散歩するために、ちょいとつっかけて。そんな情景からつけられた別名はリゾートスリッポン。
ヨーロッパでは馴染みのあるこのハイソなシューズスタイルが、今、ポルペッタ(POLPETTA)の登場で日本を驚かせている。
というのも、「ベルベット素材の靴を外履きに使おう」、普通に考えたら「やめよう」だが、その普通が通用しない。極薄のアウトソール。これもヤバい。でも、そうした通念はここにはない。
何が鮮烈で何がカッコ良く何が美しく、何をもって機能的と言うのか、ポルペッタの靴は真剣だ。真剣に遊び靴を目指している。そこらのチャラ靴とはテンションが違う。
生ぬるい靴ではない。

ブランド名は、イタリア語で肉団子を意味する。どういうことか、ブランドに訊ねてみた。
漁師たちが、船上で絡まらないよう船用ロープをくるくると丸めて纏める。この丸まったロープのことを漁師うちで「猿の拳(モンキー・フィスト)」と呼ぶらしいが、この「猿の拳」にブランドのデザイナーが着目し(この時点で目の付け所がヤバいと思う)、新しい靴をデザインするための編みの研究に着手する。
こうしてレザーロープで「猿の拳」を再現するに至るが、どうも形状が肉団子に似ている。そこでさらに調べていくと、神社の鈴についている紐「叶緒(かねのお)」などにも同じ編みの技法が用いられていることが判明する。どうも古い起源を持つ人類的な技法であるらしい。(おそらくボッテガヴェネタにも通じるのだが、編みの技法というのは人類史の中でも旧石器時代まで遡れると言われるほど古い起源をもつ)。
結局、このモチーフは肉団子というシャレた呼称を得、ブランドの理念的な意匠になったのだが、その意味の奥は、こんな深い場所へと潜っていく。


刺繍の深い謎かけ

この深きへ深きへと入っていくダイブ感覚、なかでも面白いのが刺繍だ。
ポルペッタは今季、ナポリをテーマにした刺繍シリーズを発表しているが、これがなかなか興味深い。
昔のナポリ人はスパゲティを手づかみで食べていたという庶民史のエピソード。それをまるで女の繊細な手が心臓でも摘まんでいるようにデザインした「SPAGHETTI」。
昔のナポリ人は尖った物こそ神へ近づくための御守りとして、牛の角を象ったアクセサリーを身につけた。そんなエピソードにちなんだ「CORNO(角)」。
ほかにもナポリの伝統的な風刺劇に登場する「PULCIANI」。それは幸福を呼ぶ道化師なのだという。
さらに片足だけにキスマークを刺繍した「BACCI」。両足にキスマークがあると浮気者になってしまうからだという。
いったいこのエスプリを誰がわかるのだろう、そんなイメージを謎かけのように仕掛けてくる。説明を受け、ブランドが持つイメージ背景の豊かさに気づかされる。


キツめの履き口がポイントに

確かにルームシューズらしい繊細さ、しなやかさ、装飾性を引き継いでいるが、あくまで外履きとしてアウトソールは意外にレザーでしっかりと作られているのは要注目だ。そして何より履き口がルームシューズとはまるで違う。かなりキツめにできている。踵が浮くようなことはない(附属品として靴ベラをつけるという徹底ぶり)。履き馴染んできたときにいちばん心地よくフィットするように計算されている。
靴のデザイナーは本来、その構造上、職人としての知識や修練が必須であるといわれるが、そんな強みがポルペッタにははっきりと出ている。華やかな見た目の奥に、実はなにより機能的な靴であり、隠された意味を持つ、そんな靴である。


コーディネート実践編

「足元が主役になれる大人のファンタジーシューズ」
これはポルペッタが掲げるキャッチコピーである。ポルペッタを履くなら、やはりポルペッタを軸にして着こなしを考えるべきか。同ブランドのアンクレット(ブレスレットにもなる)にも注目し、フランス、イタリアのトリコロール色の2パターンで着こなしを紹介。


1.ジャケパンスタイルで


ブルーとホワイトをメインにしながら、靴の刺繍とアクセサリーで赤を挿したフランスカラー。ボーダー柄のマリンカットソーに麻ジャケと麻ストールが本気でリゾートしてます。ブラックに近い深いネイビーカラーのシューズが、淡いウェアのカラーリングとコントラストをつけ、メリハリのあるスタイルに。


使用アイテム
» シューズ(POLPETTA)
» アンクレット・赤(POLPETTA)
» アンクレット・白(POLPETTA)
» アンクレット・青(POLPETTA)
» 綿麻混ジャケット(BOGLIOLI)
» 長袖カットソー(SAINT JAMES)
» ボトムス(MASONS EMS)
» ストール(FALIERO SARTI)
» ベルト(TIBERIO FERRETTI) 


2.ショーツに合わせて


鮮やかなグリーンのポルペッタシューズ。このカラーは他にないという理由で、ブランドでも売れ筋になっている一足です。ざっくりとしたショーパンにポロシャツ、ならよくありますが、そのポロシャツをパンツインするというのが、本気リゾートスタイルです。グリーン、ホワイトに、アクセサリーとベルトで赤系カラーをさりげなく配し、こちらはイタリアバージョン。


使用アイテム
» シューズ(POLPETTA)
» アンクレット・赤(POLPETTA)
» アンクレット・白(POLPETTA)
» アンクレット・緑(POLPETTA)
» ポロシャツ(BOTTEGA VENETA)
» カーディガン(JOHN SMEDLEY)
» ハーフパンツ(J.W.BRINE)
» ベルト(TIBERIO FERRETTI) 



» ポルペッタのアイテム一覧はこちら





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クールビズ特集②チノパン篇

クールビズのクールは「涼しい」じゃなくて、「カッコいい」という意味です。
そんな趣旨でスタートしたクールビズ特集。

第2回のテーマはチノパンです。


ビジネスウェアとしてチノパンを穿く。今や内勤者にとどまらず渉外担当者のあいだでもよく見られる風景になりました。
ある営業マンに訊ねたところ「ビジネスマナーに沿いながら、でも堅苦しくはならないんで、相手の気持ちも開かせやすいところがあるんじゃないですかねえ」と。
うーん、そんな効果もあるんでしょうか。

ここで取り上げたチノは王道ネイビー。でもよく見るとロールアップ仕様の踝丈。ビジネス対応させながらこの微妙な変化が一気にオシャレ度を高めてくれます。シャツも王道カラーのホワイトでシンプルに。ベルト、シューズ、バッグとポイントで仕掛けます。


使用アイテム
» チノパン(メイソンズ)
» シャツ(ドルチェ&ガッバーナ)
» ベルト(ティベリオ・フェレッティ)
» バッグ(エトロ)
» シューズ(ディースクエアード)


次回は14日、チノパンにフォーカスする予定です。
連載は順次こちらのページでまとめていきますので、ぜひチェックしてみてください。
» クールビズ特集のページ



ポロシャツの一覧はこちらで見れます


クールビズこぼれネタ
時代は変る

クールビズといってもどこまでOKなのか、なかなか判断のつかないところ。内勤なら社の方針に従うので良しとして、営業先ではどうしましょう?
そこで提唱元である環境省のこんな対照表を。ノータイ、半袖シャツはオールラウンド? チノパンも手堅い。内勤ならポロシャツも問題なさそう。サンダル、ジーンズ、Tシャツも「可能性はある」の評価です。
すっかり時代は変わりました。タンクトップOKの時代も来るのでしょうか。 
参照:Wikipedia

  ○   …  可
(○)  …  可だが徹底されていない
 △   …  TPOに応じた節度ある着用に限り可
 ×   …  原則不可 
 




2014年5月7日水曜日

クールビズ特集①ポロシャツ篇


モダンブルー的に言うと、クールビズのクールは「涼しい」じゃなくて、「カッコいい」という意味です。やはりファッションはクールじゃなきゃいけない。エコロジーは二の次で。
そんな視点でスタートした3週にわたる連載企画。新しい夏のビジネススタイルを提案します。

第一回のテーマはポロシャツです。


時代はクールビズからスーパークールビズ、すなわち「スーパーカッコいいビズ」へ。その中で俄然注目度を高めているのがポロシャツです。3年前、「モダンブルー的スーパークールビズのすゝめ」と題してプレーンなデザインのポロを推薦しましたが、今季はもうそのノリじゃないと思います。この3年でビジネススタイルも変容しました。だから今年は、このモンクレールのポロシャツくらいモードな方向にシフトしてみてもいいんじゃないかと。個性的だけど品のあるブロックカラー。セットアップのパンツに合わせてもハマります(ここで使っているのはアルマーニのネイビースーツのパンツです)。クラシカルな黒縁アイウェアも、ぐっとデキる男の雰囲気を盛り立ててくれます。


使用アイテム
» ポロシャツ(モンクレール)
» ボトムス(アルマーニ・コレッツィオーニ)
» アイウェア(レイバン)


次回は14日、チノパンにフォーカスする予定です。
連載は順次こちらのページでまとめていきますので、ぜひチェックしてみてください。
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» メンズ・ポロシャツの一覧
» ウィメンズ・ポロシャツの一覧





クールビズこぼれネタ
伝説の省エネルック 

省エネルックは1979年、石油ショックを背景に時の内閣が提唱した前衛的な男の服装スタイルです。東南アジアの熱帯スタイルを取り込もうという試みで、最大の売りは半袖スーツでした。大平正芳首相(写真右)自らが広告塔になってPRする力の入れようでしたが、これがまったくといっていいほど売れず、羽田元首相が愛用するにとどまりました。
そんな省エネルック、ついにクールビズ普及でトドメを刺され、今や知る人ぞ知るJファッション史の神話と化しています。
しかし2013年、あのゼニアがコレクションアイテムとして発表(写真左)していることは、あまり知られていないようです。今なお早すぎたモードとして、ブレークの可能性を残し続けているのです。





2014年5月2日金曜日

本気のクロコは鞣しが違う:クアトロ・ガッティ&レザック

レザーの王様といえばクロコ。体長3メートル級の巨大クロコダイルでも、取れるクロコレザーはわずかトートバッグ1つぶんだとか。そんな最高級革を活かすも殺すも、それはズバリ鞣しの技術といわれています。
クロコレザーの世界では知らぬ人なしの最重要ブランド、クアトロ・ガッティとレザックの財布で、今一度クロコの何たるかにフォーカスしてみました。


QUATTRO GATTI  クアトロ・ガッティ

高CPで妥協なし

クロコにとって鞣しがどれだけ重要な役割を持ち、その作業にどれだけ手が入れられているか。欧州メゾンに供給する世界屈指のタンナーから仕入れたクロコ原皮。それを日本でさらに再鞣し、染色する。
クアトロ・ガッティのクロコアイテムは、必ずしも一枚革のど真ん中だけを使うわけではありません。それでも近年、スーパーブランドによる高等級クロコの買い占め現象が起きている中、同等の仕入れルートを堅持し、完全自社生産をつづけています。クアトロ・ガッティのクロコアイテムが優れたコスパを発揮するのには、こんな理由があります。
限られた数の職人が手仕事で作っているため生産数はぐっと少ない。そんな点もファンにはたまりませんね。


左から
いずれもクアトロ・ガッティ



クロコは鞣しが品質の要





LE SAC  レザック

いわく、「クロコの絶対価値を提言します」

ベビークロコと云われる仔ワニをセンターカッティングにより1枚裁断。それを熟練職人がハンドメイドする工芸品のような長財布。素材遣いの贅沢にプラスして、コバの重なりから手にした時のフィット感や手触りまで、官能的というほかありません。キング・オブ・クロコ・ブ
ランド、それがレザックです。
レザック社がこのブランドでもって、エキゾチックレザーが氾濫する市場で「クロコの真の絶対価値を提言する」と言い切っており、自信のほどが伺えます。

ちなみに私のおすすめは、ブラックではなく、やや明るめのカラー。ブラックももちろん使うほどに艶を増しますが、経年変化で目に見えて色に深みを増すのは、それよりやや明るめのカラーです。


左から
いずれもレザック