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2013年10月29日火曜日

連載企画「名品図鑑」を始めました

定番には理由がある。
モード史不朽の名作にクローズアップ。

バーキン、レディ・ディオール、フレッド・ペリーのM12。
今も多くの人を魅了する定番モデルには、華やかで移り気なトレンドの根元でモードの奥底へとダイブするモノの本質が見えてきます。
そんなモード史の名作にフォーカスした企画が今回始まった「名品図鑑」です。
モノのありよう、そして人とモノの関わりの大切な場所を綴る、連載形式の写真エッセイ。

第一回目となる今回取り上げたのはフェラガモの“ヴァラ”パンプスです。


イタリアン・ラグジュアリーを代表するサルヴァトーレ・フェラガモの名品パンプス。80年の長い歴史をひも解けば、ウエッジソールをはじめとする数々の発明や人体解剖学に基づいた独自のデザイン、貴族やスター達との華々しい交流など多くの伝説が蘇ります。今なお支持されるラウンドトゥのローヒールパンプスは1970年代に履き心地を最優先してつくられたのがその始まり。アッパーにグログランリボンのモチーフ「ヴァラ」を添えたシリーズは今年35周年を迎え、フェラガモの顔として輝き続けています。
「いい靴は素敵なところへ連れてってくれる」とはヨーロッパ発祥とされるロマンティックな名言ですが、とっておきの1足を履いた女性は周囲の目にとてもエレガントに映るもの。このパンプスを前にすると、オシャレな人ほど靴選びに情熱を注ぐのにも納得です。 

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名品図鑑
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2013年10月18日金曜日

ボッテガ・ヴェネタ、4つの礎石

2001年、クリエイティブディレクターにトーマス・マイヤーが就任し、それから10年の間にボッテガヴェネタ(BOTTEGA VENETA)の売り上げは8倍に膨らんだそうです。
マイヤーが何をやったかというと、高い技術をもった職人を大切にしたということです。

マイヤーはエルメスとかソニア・リキエルでデザインをしてきた人で、つまり出自はデザイナーなわけです。建築でいえば、大工の世界に建築士が入ってくるようなもので、どうもがいても本質的に設計者である建築士は、大工をどこか作業員として使わざるを得ない。モードの世界でもそれは同じで、デザイナーが机上で描いたデザインをもとに職人たちが動いて作る。つまり二つの世界は分割され、どうしてもデザイナー主導になってしまう。

でもマイヤーは、ボッテガ・ヴェネタではその方法をとらなかったようです。職人を大切にし、職人とデザイナーのフラットなコラボ、その横のパイプをすごく重視した。革職人の養成学校まで立ち上げているほどです。そしたら、伝統工芸としてのクオリティを維持しながら自由な創造性に溢れたプロダクトが次々と生み出されてきた。そして売り上げが10年で8倍になった。

あらゆる生産様式がオペレーショナルな世界になりつつあるこの21世紀に、こんな幸福な出会いが実現され、大きな成功を収めていることは心強いことのように感じます。ボッテガヴェネタの製品に触れるたびに僕はそれを感じます。

マイヤーはボッテガヴェネタをディレクションするにあたって、「4つの礎石」という言葉を使っています。すなわち、

1、最高級の素材
2、卓越した職人技
3、現代的な機能性
4、時代を超越するデザイン

モードのもっとも理想の言葉がこの4つに凝縮されています。そして事実、それはボッテガヴェネタというブランドで実現されている。


ボッテガといえばバッグや財布がメインですが、今日はこんなハイカットスニーカーが入ってきました。このスニーカーに印象付けられ、つい、これを機にと、以前よりいずれ書きたいと思っていたボッテガへの想い、トーマスマイヤーへの想いをここに記してみました。
それにしても素晴らしいスニーカーです。
もちろんボディは編み込みレザー。


このスニーカーを見ていても思うのですが、どういうわけかボッテガはエルメスと違ってちょっと野性的な雰囲気を残してるように僕は感じます。だって人間が作ってるんだぜ、って主張しているような。そこがいい。
もとをただせば編み込み意匠というのは新石器時代からの人類技術ですからね。ボッテガはその地平で勝負している、そんな哲学を感じます。

マイヤーの功績でボッテガは一気に超有名ブランドになりましたが、そのため今じゃ模造プロダクトもたくさん出てきてます。でもどういうわけか、ボッテガの編み込みだけは遠くから見てもそれとわかる。ここには鑑定団とかいらない。なぜか? 職人魂がレザーに憑依しているからです。

今回入荷したのはハイカットスニーカーでしたが、ローカットスニーカーも以前よりラインアップ中です。こちらも要チェックです。


そのほかボッテガのシューズはこちらでチェック

ボッテガの全取り扱いアイテムはこちら




2013年10月15日火曜日

2013秋冬 トレンドキーワードで探る注目アイテム

今季は何が流行っているのか。それはどんな理由で。そして取り入れるとしたら何をどんなふうに取り入れたらいいの?
2013年秋冬のトレンドを象徴するキーワード。なかでも注目度の高い9つのタームにフォーカスし、ラインアップもふくめて今季の流れをご紹介します。
最旬タームからここ10年来のモード界全体の大きな流れまでを素描した今回の特集、秋冬シーズンのアイテム選びに是非ご活用ください。

会場はこちら
http://www.modern-blue.com/page/2013/131016_trend/index_mb.html

目指すはトレンドの先、超トレンド。

ルブタンにジミー・チュウ、サン・ローランにエミリオ・プッチ…。
ここ数年、いろんなブランドがスタッズのついたアイテムを主力級で発表しています。バッグや財布、シューズ、ベルトといったレザーものはもちろん、コットン素材のシャツもスタッズつきだったりします。そしてその流れがさらにヒートアップし、パンク旋風到来とまで言われているのが今季です。
中でもこのアレキサンダーワンのバッグはパンクやロックという“普通の感覚”ではおさまらないイメージ喚起力で迫ってきます。強烈な底鋲、うねる様なレザーの凹凸感。これがワンというデザイナーのまったく新しい個性なのです。トレンドといいながら、まさに今の先、超トレンドを感じさせるバッグです。

ALEXANDER WANG
ショルダーバッグ ROCKIE
http://www.modern-blue.jp/GOODSDETAIL-41406



着合わせ抜群の王道スタイル

春夏のハイネックトップス流行に引き続くカタチで、秋冬はハイネックセーターが勢いをつけています。細身のラインに着丈やや短めが今季っぽいスタイル。クラシカルなジャケットスタイルからカジュアルまでさまざまなコーディネートと合わせやすいのもハイネックセーターの魅力です。
ヘリテージのこのニットは中でも王道クラシックスタイルなので、特にコーディネートがこなしやすい。さすがニットウェアを専門に扱うブランドだけあって、メリノウールの弾力性ある滑らかな着心地も素晴らしい。そして高い技術を要するヴィンテージカラー染めが、流行のネイビーカラーにさらにひと捻りの味わいをプラスしています。着るだけでおしゃれに見えるハイネックセーター、今季はぜひいろいろ漁っていただきたいところです。

HERITAGE
タートルネックセーター
http://www.modern-blue.jp/GOODSDETAIL-42445



ロングブーツ超えのエレガンス

今季ぐっと注目が上がっているのがブーティ、すなわちショートブーツです。存在感の強いロングブーツではどうしても着こなしが制限されるけどブーティだと多彩なコーディネートを楽しむことができ、ただ今人気上昇中です。しかも、ときにロングブーツを上回るほどの存在感をもったブーティが今季はサンローランから、そしてバレンシアガから登場しています。
さて、バレンシアガからのこのブーティ。デザイナーは今季初コレとなるアレキサンダーワン。サイドゴアといえば脱ぎ履きが楽だけどレースアップよりエレガンスさに欠けるというイメージですが、このアイテムは曲線と直線で描くクールなデザインにサイドゴアが完全一致していて、めちゃくちゃカッコいい。ルージュカラーの美しさと相まって今季レディースシューズの頂点的なアイテムです。

BALENCIAGA
ブーツ/ハイヒール
http://www.modern-blue.jp/GOODSDETAIL-39578





クラシカル、かつ華やかに遊ぶ。

今季チェック柄の流行はランウェイで浮き上がりました。多くは英国トラッドという文脈で提案され、その勢いはグレンチェックからタータン、ブロック、ハウンドトゥースなど洪水のように展開されています。英国トラッド、つまり服の原点回帰。中でもチェック柄、つまり華やかな遊び柄を取り入れていきましょうと。クラシカルだけど華やかに遊びを効かせよう。これがポイントだと思います。
ボリオリ、ラルディーニときて今注目を集めているのがL.B.M.1911。創業100年超のテーラードブランドです。ここが放つグレンチェック柄はとにかく渋い。そして色気があります。デザイン、配色がミニマムで、小ぶりなブートニエールもダンディ。洗いによって味のある風合いを出したり、本切羽仕様だったり。まさにこだわりの詰まったチェック柄ジャケットの決定版的一着です。

L.B.M.1911
2つボタンジャケット SLIM
http://www.modern-blue.jp/GOODSDETAIL-42412




“ブルー×ブラック”でコーディネート

ブラックであふれた昨年秋冬に対し今季はカラーが帰ってきた。クロエをはじめとして多くのブランドがキーカラーに採用したのがネイビーブルー。どんな服装にも取り入れやすくプライベートからオフィシャルまで使える大人の挿し色です。とくに今季、ブラックと合わせる“ブルー×ブラック”スタイルが流行現象に。ウェアから小物まで華やかにしてグッと大人っぽい上品な色遣いを楽しめます。
なかでもイチオシなのが、今季からスタートしたモンクレールMのフリル付きダウンウェアPOW。ガーリーでゴージャスなデザインがネイビーの深いカラーリングとぴったりはまっています。ボトムス、シューズをブラックでしめて大人の“ブルー×ブラック”スタイルの完成です。

MONCLER M
ダウンジャケット POW
http://www.modern-blue.jp/GOODSDETAIL-42656



王道のブラック

ブラックデニムがふたたびトレンドのキーワードに浮上してきた今季。それはまさに今年、サンローランの初コレからエディスリマンの当たり年だったことと関係あるのか、それとも偶さかなのか。というのも、ブラックデニムというワードを一気に押し上げたのが00年代のディオールオム、つまりスリマンだったからです。以降ジーンズ自体がどんどんスキニー化、股浅になっていきました。
でもその流れもそろそろ変わりつつあるようです。レギュラーライズのストレートに戻りつつある。そんな流れの中で注目したいのがヤコブコーエンのPW688ブラックデニム。誰もがフィットする王道ラインに、テーラード技術を背景にした立体的シルエット美。どんな服にも合う名作です。

JACOB COHEN
ストレッチジーンズ PW688
http://www.modern-blue.jp/GOODSDETAIL-42392



手とバッグが直接触れる瞬間

昨年あたりからキテるクラッチバッグ人気の流れ。モバイルギアケースとしての需要、持ち物を少なくするライフスタイル変化といった影響もありますが、さらに奥深いところで起きている流れのようにも感じます。まず、クラッチバッグほどエレガントなバッグはない。というのも持ち手やストラップがないので手がバッグのボディを直接持つことになるからです。持った状態の佇まいにふたたび注目が集まっていて、この流れは、トートバッグも肩にかけずに折りたたんで「クラッチ持ち」する時代の空気がすでに用意していた流れでもあると思います。
中でもサンローランのこのクラッチは無駄のないデザインでエレガンスの概念を凝縮したようなアイテム。一方、デニムなどの普段使いにもマッチするレンジの広さをもっている。非の打ちどころのない名作クラッチです。

SAINT LAURENT PARIS
クラッチバッグ LUTETIA
http://www.modern-blue.jp/GOODSDETAIL-39282



楽パンも個性の時代

モードの世界がどんどん楽な着心地へと流れているのは事実です。150年前まではスーツがリラックスウェアだったことを思えば、この一半世紀でどれだけ楽チン化が進んだかがわかるでしょう。今やジーンズだって外出時に頑張って穿くみたいな位置になってきてます。そこで次世代リラックスウェアとして今ぐんぐん伸びてきているのがスウェットパンツ、いわゆる楽パンです。
中でもひときわ存在感を放つ個性派がこれ。ディーゼルの名作デニムKROOLEYをゴムパンツ化したJOGG JEANSです。コットンとポリエステルなどのミックス素材で作った生地、その凝った仕上がりが圧巻。ディーゼルはいつも新しい感覚で驚かせてくれるブランドですが、その一つの金字塔的アイテムといえます。

DIESEL
スウェットパンツ
http://www.modern-blue.jp/GOODSDETAIL-41010



入門編にして最終到達点

もこもこふわふわなムートン。温かくて履き心地が良くて、そして見た目のかわいらしさと華やかさが魅力です。今やガーリーなファッションアクセントとして必須になった感のあるムートンブーツですが、この数年の勢いは止まらず、今季はさらに注目度を高めています。
ムートンブーツの代表格ブランドといえば、アグ、プントピグロ、エミューなど。その中からここに取り上げたのは入門編にして最終到達点、アグの名作モデル「クラシックミニ」です。アグの人気は何といってもその素晴らしい素材。内側はボア仕様で外側はきめ細かなスエード状、ともにシープスキンで作られたツインフェイス仕様が贅沢です。今やウィンターシーズンのマストアイテムといえるムートンブーツの名作、今季こそ是非体験してほしいところです。

UGG AUSTRALIA
ショートブーツ CLASSIC MINI
http://www.modern-blue.jp/GOODSDETAIL-43349




2013年10月6日日曜日

ポールスミスの花柄ネクタイ

ネクタイの色柄に欧米人は敏感です。
例えば9.11テロの翌日、欧米では、人々は哀悼の意を表すブラックタイを締めたり、星条旗と同じ赤とブルーによるストライプ柄ネクタイを締めたりと、ネクタイの色柄で事件への考えや態度を表したといいます。日本で活躍している外国人タレントさんも同じように事件の翌日、ネクタイの色柄で自分の立場を表し、テレビに出演しました。
ところが日本人は、政治家のような公的な人たちですら、まさかそこに意味を求められるなどと思わず、いつも通りのネクタイを締めて出てきて、テレビのインタビューで事件についての感想を述べたのでした。

欧米は正しく日本はダメだという話ではありません。日本は独自にファッションを受容し、進化させる国ですから、それはそれで素敵なことです。ただ、欧米で生まれたファッションアイテムであるネクタイがそもそもどういうアイテムなのかということについて、日本人のほとんどが知識を欠いているという事実は、知っておいて悪いことはないと思うのです。

こんなわけで、ネクタイには自分の意見のほか階級、社会的な所属領域を意味させる文化があり、どんな柄のネクタイを締めているかで人間を測られるところがあります。
ネクタイほど個性的で多彩なアイテムはない一方で、実はファッションというより社会的コードとしての側面が強く、その眼差しは厳密なものだったりします。

だから欧米では、オフィシャルな場ではダークカラー無地のソリッドタイか小ぶりなドット柄をつけるという暗黙のコードがあるし、既定のクラブメンバーや大学OBでもないのにレジメンタルタイなどを締めているのはおかしい、ということになります。そういう場所では、花柄など、もってのほかなのです。

そこで、ポールスミスのこんな花柄ネクタイの登場です。
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-42816


社会コードを完全に逸脱したネクタイなので、これを締めるということは、それだけで社会に向かって自分を強烈に語るということになります。こんなネクタイを見ていると、オシャレをするということは少しだけ世の中のコードに対してノンを突きつける行為で、そういう線を綱渡りしていくのが、ファッションの一つの楽しみだという気がします。

ポールスミスのアイテムは色と柄が踊っているものが多いと思いますが、踊っているとはどういうことかというと、単なる幾何学模様ではなくて、色と柄が動きを持って配置されているということです。
このネクタイも花と葉が入り乱れるように絡んでいて、単純な繰り返しパターンに還元できないような動的感覚を閉じ込めていて、面白いです。「遊びの効いた」とはポールスミスのデザインについてよく言われるフレーズですが、まさにこの動きの感覚にありそうです。
しかもこの複雑な柄を、プリントではなくて織りで表現しているところに贅沢を感じます。織りなので柄に凹凸感があり陰影もできるので、雰囲気があります。




ほかにも同じくポールスミスからこんな花柄ネクタイも入荷しています。
こちらは花柄、なのだけど、実はレジメンタルストライプ状に配置されているという粋な演出がしてあります。大剣裏の大柄ドットもユニーク。


アイテム詳細:http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-42814





アイテム詳細:http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-42815


難しそうに見えて、実はこういう色が複数使われているネクタイは合わせやすいので、本当はこういうの好きだけど勇気がなくて、などと思っている人はぜひトライしてもらいたいなあと思います。

ここにあげた三種のネクタイは、ベースカラーがネイビーないしはベージュなので、どのタイもブラック、ネイビー、ブラウンのジャケットにぴったりカラーコーディネートできるはず。
そしてネクタイの存在感が強いので、ジャケットは無柄のシンプルなもの、シャツもシンプルな無柄のホワイトシャツにして、Vゾーンにネクタイの花を咲かせるという感覚でいけば、簡単に上級コーディネートを達成できると思います。

「才能が花開く」とか「あの人の振る舞いには花がある」とか言うように、花という言葉は人の中心にあって沸き立つ力を意味します。伝統の風に姿を学び、花の魅力を伝える。能の世界で世阿弥が奥義として書き伝えた「風姿花伝」の言葉は、メンズ服の伝統から姿の美意識を学び、人の中心から放たれる魅力を花として開かせる、モードの世界となんら変わるところがないように思います。
ポールスミスの花柄ネクタイは、一揃いコーディネートした後に、そのオシャレした姿、出で立ちの中心から沸き立ち開いてくる胸の花なのです。

ビジネスや公式の場では基本、ネクタイは社会コードとして機能するのでこんなネクタイはしてはダメなのですが、さほど儀礼を要しない場、自分の魅力・個性を示してコミュニケーションするような場所では、花の咲いていないコーディネートでは魅力がなく、まさにこんなネクタイを中心から咲かせるのがいいんじゃないかと思います。




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2013年10月4日金曜日

2通りに着こなせる、サンローラン注目のツイードコート

2013年秋冬デフィレで披露されたサンローラン(SAINT LAURENT PARIS)注目のツイードコートがこれです。


クラシックなスタイルですが、シルエットを含むカタチに独自のビジョンが注がれていて面白いコートになっています。
(アイテム詳細はこちら:http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-43177

肩もアームもコンパクトで細身、ボディラインもスリムで最小限のシルエットで表現されているところはエディスリマンならではです。ところが、コートのカタチ自体はそんな細身スリムなのに44サイズを着ると46サイズはある感じだし、46サイズを着ると48サイズはある感じ。つまりオーバーサイズ気味に作られています。すっきり細身シルエットなのにそれを大きめにダボッと羽織るコートになっています。

フォーマルにはばっちり対応できるクラシックコートスタイルながら、実はグダッとしたグラムでグランジなロックスタイルに合せるように出来ている。
このバイロジックで攻めてくる感覚はちょっとスゴイですね。どっちのスタイルでも行けるし、しかも真逆のスタイルで行けてしまう。つまりビジョン、エディスリマンの見ているビジョンが面白い。その独自のビジョンが見事に表現されたコートです。
柄は大ぶりなヘリンボーンで、生地の厚みと立体感を強調しています。

写真では、太ピッチボーダーのモヘア混セーターとニットマフラーと合わせ、まさにエディスリマンといったスタイルのコーディネートにしてみました。
どちらも英国パンクロックムーブメントを象徴するクラシックなボーダー柄です。

しかし今やファストファッションもシルエットや柄デザインなんかは敏感に流行を捉えてくるので、こんなセーターとパッと見同じ商品もファストファッションとして安く買えるのかもしれません。でも、細部を見れば見るほど粗が見えてくる大量生産品に対して、細部を見れば見るほどこだわりが見えてくる、その違いがあります。その典型例がこのセーターの、ハニーコム構造になった編み方に見ることができる気がします。良く見ると蜂の巣状に複雑に編み込まれていて、これが微妙に見た目に変化をつけていています。
ちなみにマフラーの方は一般的なリブ編みになっています。

太ピッチボーダーのモヘア混セーター

ハニーコム構造の編み方

ニットマフラー


モヘア混セーターの詳細はこちら

ニットマフラーの詳細はこちら

2013年10月3日木曜日

モンクレールSからモンクレールMへ 引き継がれるフリル

今季からモンクレールの新ライン、モンクレールMが始まっています。ギリシャ出身のデザイナー、メアリー・カトランズ(MARY KATRANTZOU)が手がけるラグジュアリーコレクションですが、特徴はやはりフリル。
モダンブルーでも取り扱いがあるのですが、それがこれです。
POWというモデルです。写真はブラックですが、ネイビーもラインアップしています。


ブラック
ネイビー

見ての通り、かなり大胆にフリルが配されています。まるでスカートのようです。そしてカトランズのデザインの特徴は、とにかくウェスト位置が高い。つまりクラシックな、それも近代以前の宮廷衣装を思わせる雰囲気があります。キルティングもかわっていて、このパターンは何だろうと思ったら、ヘリンボーン柄ですね。ヘリンボーンもここまで大柄になるとSFっぽい雰囲気が出てきます。




そう考えていたら、映画「スターウォーズ」なんかそうですが、SFの作品世界で描かれる王女様の衣装は、デザインイメージを必ずクラシックな宮廷衣装から引っ張ってくることに思い当たりまして、ああ、カトランズという人はスターウォーズみたいな感覚でモードを見ているんじゃないかな、などと思いました。本当に衣服が豊かだった古典時代に憧れ、この貧弱な現実を豪奢にし、さらにそれを未来化したいんじゃないかな、と思えるのです。

「古いスタイルを未来へ投げかける」というと、たいていのデザイナーがやっていることのように聞こえます。でもカトランズは、数十年前とかではなくて数百年前のスタイルにスポットを当てようとします。しかももう少しそれをサブカル化した感覚でやっている感じがします。中世文化への造詣をもとにしてそれをサブカル化しているというより、アニメやスターウォーズの感覚で育ったサブカルな女の子が、中世っぽいことに憧れて色とカタチにしている印象です。まあ、僕の勝手な想像なのでわかりませんけど、同じ中世志向でも、悪魔的要素を持つジョンガリアーノやヴィヴィアン・ウェストウッドとはちょっと違うんですよね。
いずれにせよカトランズという人は、趣味が入り乱れるようにデザインとして花開いています。今「本当に面白いビジュアル」というものを作り出せるデザイナーの一人だと思います。



ところで、カトランズが打ち出したモンクレールMもそうですが、フリルの登場でウィメンズのモンクレール世界はがらっと変化したように思います。
つまり、sacaiの阿部千登勢さんが手がけたモンクレールSを今さらながらに僕は思い出してしまうのです。モンクレールでフリルといえば、阿部さんのSです。

フリルはフェミニンな雰囲気を演出するためにウィメンズウェアの世界では欠かせないデザインパターンですけど、モンクレールSが新鮮だったのは、それをダウンウェアでやってしまったということ、しかも細部のアクセントとかではなくて、大々的にダウンをフリル化したことです。そしてあの独特なふわっとした曲線を、単なるフェミニンモチーフではなくて、線の面白さ、身体の上をうねる波としてグラフィックデザインにしてしまったことです。

モンクレールSの成功が強烈だったため、ラインが終了した後も、モンクレールのデザインチームは阿部千登勢さんのコンセプトを引き継ぎ今も「Sの伝道」ともいえるアイテムを発表しています。

例えばこのANSERINEというモデルがそうです。


袖口と裾後ろがフリルになっていて、通常のダウンウェアとは違った印象を与えてくれます。裾の前側はフリルがなくて、後ろ側だけについている。後姿はどことなくバレリーナを思わせます。つまりこれは鳥の羽根としてのフリルであり、さらにミニスカートを暗示しているのです。だからちょっと、可憐で、ドキッとさせ、さらに豪奢な印象を与えてくれます。


ほかにもSのコンセプトを引き継いだアイテム、SANGLANTEです。





こんなわけで、フリルをキーワードにモンクレールはウィメンズ世界の新しい流れをスケッチしてみました。

モンクレール・ウィメンズのラインアップはこちらでチェック!




2013年10月1日火曜日

ヴァレクストラだけはデザインしない

この仕事を通して、いろんなブランド品と付き合ううちに思うようになったのは、モノは素材とカタチと作りに尽きるということである。この三つがちゃんとしていれば必然、良いモノになる。

そして、ヴァレクストラ(Valextra)ほどこの三つをストレートに伝えてくるブランドはほかにないのではないか、と僕はモダンブルーで7年働いてきて思うのである。


エルメスも素晴らしい、ボッテガヴェネタも素晴らしい。でも、エルメスやボッテガはそこに少なからずデザインを加算してくる。デザイン性の変化は、それはそれで楽しいのだけど、時代々々の空気も同時に吸い込むので、少し腐る傾向があるし、市場で売れようとする媚びた態度が出てしまう。
でも、ヴァレクストラだけはデザインしない。ほとんど限りなくデザインしない。

モノを追求しカタチにしていくと“24ore”のような名作オーバーナイト・ブリーフケースになるし、“Wallet 4cc”のような普遍形の二つ折り財布になるし、“wallet 6cc”のような美しい丸みを帯びたラウンドジップ長財布になる。モノの求道された姿がそこにある。

カタチだけではない。色遣いにも曖昧さがなくハッキリとしていて、いろんな色を足してごちゃごちゃにさせるような真似はしない。
レザーの表情はエルメスと同様、驚くほど均質である。コバの仕上げやステッチの流れも澱みがない。商品を入れる箱すら直線と曲線をシンプルに使い、ロゴも同系色で沈み込ませ、カタチの完成形を示してくる。

ヴァレクストラは1937年、ジョヴァンニ・フォンタナという人によってイタリアのミラノで創業している。そのデザインは「クリーン」と評されるが、それは先に述べたとおりで無駄と迎合がないことの言い換えだろう。
イタリアのエルメスとも称される。
未体験の人がいたら、ぜひ一度トライしてもらいたいブランドだ。


中でも僕が今回おすすめしたいのがこれ。
名作“wallet 6cc”のラウンドジップ長財布で、色はコバルトブルーカラー。

この澄みきったようなブルーが独特。
女の人が持っても男の人が持ってもピッタリはまる上品で個性的なカラーである。

完璧なフォルム

アイテム詳細
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-43044


ヴァレクストラの一覧はこちら
MEN
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSLIST-1674
WOMEN
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSLIST-1671

インナーもコバルトブルー

ジップヘッドはロゴ入り

箱のデザインもカタチがきれい