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2013年2月13日水曜日

CELINE


フィービー・ファイロの凄さ
CELINE
One‐Piece Dress

今レディースで
いちばん勢いのあるデザイナーといえば
セリーヌのフィービー・ファイロだと思う。
彼女のデザインの特徴といえば
「シンプルさ」なのだけど、
「シンプルさ」なんていうのは
たいていどのデザイナーも言っていることで
結局なにも言ってないのと変わらない、
と思いますよね。
でも、フィービー・ファイロのそれは
パッと見てたしかに「シンプルさ」だ、
というのがわかる。
なんだろう、これは。

ぼくはこの会社で
グラフィックの仕事を担当しているせいもあって
こんな目で見るところがあるのでしょう。
フィービー・ファイロという人は
デザインについて
すごく複雑で慎重な計算をしている、
という印象があります。

このワンピースもそうだし
人気のバッグ、カバや
今季の新作バッグ、オールソフトもそうだけど
カラーをブロックで使って
2トーンでピシッと境界線を引く。
あれをやると
もうそこだけしかデザインの作為がないので
引き算で残された要素
つまり線の位置とか、素材の質感、
モノの形とか、ロゴの位置・大きさとかが、
ものすごく
重要度の高い役割を担わされる。
だからその黄金関係を見出すのに
ミリ単位の調整をしなくちゃいけない。
そういう緊張感が
デザインによく出ているんです。

実際、レザーにしろスエードにしろ
このワンピースの
シャリ感をもったビスコースにしろ
素材感がとてもキレイで
ああ、いいモノなんだなというのが
ストレートに伝わってきます。

しかも彼女の場合、
人がセリーヌの服やバッグを持って動いたときに
どういうゆるみやドレープ、
膨らみ、凹みを持つか
ということもまた厳密にやっている。
ビジュアルデザイン
空間デザイン
運動デザイン
そういうのがぜんぶ一点に収斂して
一つのイメージを立ち上げてきます。

2013年春夏コレクションのテーマは
「包む(ラップ)」です。
このラップというのは、
造形的にいちばんシンプルな形態、
つまり「袋」のようなものを
イメージさせる狙いがあるわけですが
おそらく人がそれを身につけて動いたときに
フワリと
優しく丸まったり揺れたりする動きをも
「包む(ラップ)」と
彼女は言っている気もします。

2001年に24歳で
クロエのデザイナーに就任した時は
「ステラ・マッカートニーのコネで
 大役を得た無名デザイナー」
だったけど、真価が知れ
今、モード界の寵児になろうとしている。

考えていること
やりたいこと
やるべきこと

彼女はこうしたことすべてが
ビジョンとして明確で、
それをあとは形にするだけという仕事を
ここ数年やってきた。
とうぜん、それは年々精度を高めてくるから
誰の目にも彼女の意図が明確に伝わり
これはちょっとスゴイな、
ということになる。

移り変わるモードの世界で
ここ1、2年のセリーヌは
何年後に振り返っても
確実にカッコいい、と思える普遍性が
内在していると思います。
今、手にしておく意味は
大きいと思うのです。

セリーヌのページはこちら。

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