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2014年7月31日木曜日

ケイト・モスの身長は167㎝です

ステラマッカートニーの2014-15年秋冬広告キャンペーン
ケイト・モスを採用しています。

参照:http://www.stellamccartney.com/jp

ケイト・モスの身長は167㎝です。身長だけ見ると普通なんですよね。特に欧米では、167㎝というのは国によっては国内女性の平均身長より低いです。

そう考えると、今の雑誌の、等身大読者モデル的な動きはもう20年以上も前から世界的に流れとしてはあって、ケイト・モスはその先駆的なミューズといえるかもしれない。さかのぼるとツィッギーになるのでしょうが。

自分の想像が追いつく程度に、理想ももっと身近であってほしい、リアルであってほしいという欲求を人間は一方では持っているので、ケイト・モスは20年もの間、そういったリアリティーを私たちに提供しつづけているのかもしれません。

ちなみにツィッギーが出てきた1960年代末とケイト・モスが出てきた90年代は、ファッションだけじゃなくて、音楽も文学も映画も王道が脱臼されて、リアルな等身大感覚が出てきた時代だと思います。

ただ、シンディ・クロフォードやナオミ・キャンベルみたいな超人的ボディ、いわゆるスーパーモデルの時代も、ケイト・モスの反スーパーモデルの動きと同時進行していたのですが。

モダンブルーでも何人かのモデルさんと契約していますが、身長160㎝のモデルさんもいます。腰の位置が高いと、身長160㎝でもカッコよくキマる。悲しいほどストレートな事実ではあると思いますが…

しかしケイト・モスはトップモデルになってすでに20年。
20年もトップスターでありつづけるのは昔はエルビスプレスリーでも無理だったのに。
最近はちらほら可能になってきています。
ジョニーデップもブラッドピットも20年超えのトップスターだということを思うと、世代交代はなかなか進まなくなっているようです。

アンディ・ウォーホルは「いずれ誰もが15分間だけ有名人になれる時代が来るだろう」と言いましたが、限られたスターだけが20年ものあいだ有名人であり続ける時代が、今日の姿なのかもしれません。

それは裏でまったく別の動きが進んでいる、ということの、騙し絵みたいなものとしてあるかもしれませんが。




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2014年7月18日金曜日

エミリオ・プッチ:まるでドラッグ体験後の世界を思わせるオプティカル柄

エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)が、フィレンツェの見本市ピッティ・イマージネ・ウオモでアートインスタレーションを発表したようです。
それが、これ。
「エミリオ・プッチ、サン・ジョバンニ洗礼堂をグラフィック装飾」


エミリオ プッチが外装リフォームすると、カトリックの洗礼堂もイッツアスモールワールドみたいなファンタジーの世界になりますね。

第二次大戦中の米軍兵士を慰めた2大ソースはディズニー映画と麻薬と言われています。そして、そのサイケデリックなビジョンがもっとも強く出ているのが映画「ダンボ」だと言われています。
このアートインスタレーションを見ていると、カトリック教会とプッチ柄という組合せも、ディズニーのサイケデリックワールドと似たテンションを感じさせます…。

しかしエミリオ プッチの柄って、オプティカル柄とか言われますが、やっぱりLSD中毒者が描くアウトサイダーアートに似てますね。

「LSDを摂取した少女の自画像のトリップに伴う変化がすごいことに」


ちなみに、映画「ダンボ」のワンシーンがこれです。かなりやばいです。
「trippy disney drugs lsd high acid dumbo elephants bubbles」



いかがでしょう?
ようこそブランド界のイッツアスモールワールドへ…
モダンブルーではエミリオ プッチのアイテムも揃えていますよ…

» エミリオ プッチ(EMILIO PUCCI)のアイテム一覧





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2014年7月1日火曜日

モスキーノ&トムブラウン:ただひたすら、デザイン

ラグジュアリーブランドには、いいものを作ろうという意識がある。
いいものは何かと考えれば、結局、素材と作りの良さに尽きると思いますが、モノというのはここにデザインという要素が加わる。

このデザインというのが厄介で、この要素があるがために服の世界は昔々の頃とはまったく変わってしまったんだと思います。
幼少期から技術を磨いた職人が人生をあずけるように工房で良いものをひたすら作りつづける。
この美しさは誰も否定できないはずですが、否定されました。
それがデザインの魔力です。

モスキーノのこんな新作を見させられると、これがデザインが支配する今のモードなんだなと思います。
素材とか作りの良さとかで価値を生み出しているんではなく、ただひたすら、デザイン。
面白さ、目新しさ、発想、皮肉、…
服に対するこうした戦略や態度。ちょいワルどころじゃないですよ。本当のワルです。
そして本当のワルはそれなりに魅力的なんですよ。

参照:モスキーノ、話題のファストフードアクセサリーを原宿で発売





ちなみにトムブラウンも新作を発表しましたね。ダースベイダーっぽい世界が…といわれてますが、ちょっとだけ進撃の巨人が入ってる気もします。まあ、雰囲気ですけど…。



参照:トム ブラウン ニューヨーク 2015年春夏メンズコレクション - 平和を願うダース・ベイダー




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2014年6月19日木曜日

フェンディ:だれもがブランド品をデザインできる時代

フェンディのアイコンバッグ「バゲット」を、iPadとアンドロイド専用アプリを使って自分でデザインでき、かつフェンディ審査のもとデザインコンペが行われるそうです。

参照:http://www.vogue.co.jp/fashion/news/2014-06/18/fendi

ジミーチュウでは銀座旗艦店で、好みのカラー、素材、仕上げのバリエーションからカスタムメイドできるサービスを始めたようです。オロビアンコのバッグのように。

ここには一つの流れが浮かんでくるようです。かつて限られたお金持ちが圧倒的なライフスタイルを背景にオートクチュールで発注したのとは違って、誰もがライフスタイルや人生環境のバックボーンなしに、気軽に自分のイメージをブランドという場で作ることができてしまうという流れです。
これは良いか悪いかの問題ではないのかもしれません。時代は時代の動機を抱えながら確実にそういう流れの中で進んでいるという、その事実だけなのかもしれません。みなさんはどう思われますでしょうか?






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2014年6月13日金曜日

ボッテガ・ヴェネタのローザショック!

 


ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)の2014アーリーフォールコレクションが始まった。注目はシーズナルカラーのローザショック(ROSA SHOCK)である。

何てことだろう。
どんなカラーをシーズンカラーとして打ち出すかはブランドにとって重要な戦略である。しかし、そのカラーをどう名づけるかまでブランドの重要な戦略だとは…。
私は今回、ボッテガを前に冷静になる必要があった。そして私は騙されなかった。
つまり、ローザショックなどと目新しいカラー名がついているが、これは、ショッキングピンクなのである。
私はコマーシャリズムの罠になど嵌らなかった。私は勝利の余韻に浸った。ところが次の瞬間だった…。
さらなる調査を続けるなか、ローザショックどころか、ショッキングピンクというカラー名までが、あの伝説的なオランダのロックバンド、ショッキング・ブルーの登場によって生まれたコマーシャリズム的な造語だということが判明したのである。
結局、私は負けたのだった。
そして私は悟った。私には、本当のカラー名などわからない。たった一つの色彩概念を、造語に次ぐ造語を生産することによって持ち堪えているこの世界では、もう、何がオリジナルなのか見えない…。ネオンピンク、蛍光ピンク、ヴィヴィッドピンク、フラッシュピンク、サイケデリックピンク、デンジャラスピンク…。
私は気が狂いそうだ…私は何を信じたらいいのだろう? 教えてください、ローザショック様…

クラッチバッグ
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-53904

ショルダーバッグ
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-53906

長財布[小銭入れ付き]
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-53909

ラウンドファスナー 長財布[小銭入れ付き]
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-53913

ラウンドファスナー 長財布[小銭入れ付き]
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSDETAIL-53914





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2014年6月12日木曜日

ボダムのインダストリアルデザイン


ボダムの奥深い構造

ボダム(BODUM)のマグカップとグラス。潔いほどにシンプルなデザインですが、これが、知るほどに奥深い構造でできています。
ボダムはキッチンウェアブランドですが、その根底は、インダストリアルデザインの会社じゃないかと思います。デザインのなかでもインダストリアルデザインというのは何を特徴としているかというと、機能をデザインする、ということです。だから「潔いほどシンプルなデザイン」と先に書いたけど、シンプルなだけでは何も意味を持ちません。そこに機能がないと。シンプルであることは、機能的な理由になっていなければいけない。
ヨーガン・ボダム氏が見いだした中国の茶器、そこから生まれたのがボダムのデザインを象徴するダブルウォール構造です。つまり二層構造のガラス。熱い飲み物を入れても表面が熱くならないため持ちやすい。冷たい飲み物を入れても結露で表面がべちゃべちゃにならない。
ヨーガンさんが言うには、ダブルウォール構造を作り出すこと自体は特に難しいことではないそうです。でも、熱い飲み物を入れると二層中の空気が膨張しグラスが破裂する危険がある。これを解消するために底面に穴を開けたら開けたで、今度は冷たい飲み物を入れたときガラス層の間に結露ができ中で溜まってしまう。この問題は、二層構造にする限りは物理現象として回避できないのです。
さあ、どうしようかとなったとき、とても小さなイノベーションが起きました。底面にあけた穴をシリコン栓でふさいだのです。これで、普段は栓をふさいでいるので中で結露ができにくく、熱い飲み物を入れても穴があいているので中で空気が膨張してもちゃんと抜けていく。
これがインダストリアルデザインです。二次元上で線を引いてビジュアルデザインしているのではない、ということですね。もっと複雑な思考を展開し、工学的なデザインとして結実させている。飲み物を入れたとき二層構造によって液体が宙に浮いたように見えるというのも、工学的に考えたデザイン上の仕掛けになっています。
ボダムの生み出すモノは奥深い構造でできている、といったのこはこういうことなのです。

底面には穴があり、それをシリコン栓でふさいでいる

飲み物を入れたとき二層構造によって液体が宙に浮いたように見える



デンマークからドイツ語圏へ

ボダムは、数々のモダンインテリアの巨匠たちを生んだ北欧はデンマークで創業した会社です。そして1978年にスイスのルッツェルンに本社を移転しています。スイスという国名で考えるより、これはドイツ語圏に移転したということです。デンマークの人口は500万人程度で国内市場があまり大きくない。ドイツ語圏となれば1億規模の市場が生まれる。そういう面もあっての移転だったと思いますが、ドイツというと、インダストリアルデザインのルーツであるバウハウスを生んだ文化であり、デザインとインダストリアルの親和性がとても高い、そんな文化背景をもっています。
ボダムは北欧デザインの流れで登場し、ドイツのインダストリアルデザインと融合して発展した。そんな気がします。

移転からわずか2年後、1980年には社内にPI-Designというデザイン部門を設立しています。プロダクトデザインから店舗デザイン、広告デザインまで、ボダムに関することはすべて流通の始まりから終わりまで自社内でデザインしてしまおうというわけです。ボダムはキッチンウェアブランドですが、その根底はインダストリアルデザインの会社だと最初に書いたのは、そういうことです。

ボダムのプロダクトで、IFデザイン賞やレッド・ドット、グッド・デザイン賞といった世界的に評価の高いデザインアワードにかぎっても、受賞しているモデルは数十種類あるようです。
ちなみに現CEOのヨーガンさんは創始者ピーター・ボダム氏の子息で、スイスへの移転、インダストリアルデザインブランドとして大きな展開を果たしてきた人ですが、そのヨーガンさんがもっとも大きな影響を受けたインダストリアルデザイナーが、ディーター・ラムスです。インダストリアルデザインにおける機能主義派の巨匠といわれ、SK-4レコードプレーヤーや35 mmフィルムスライドプロジェクター「D」シリーズなどの名作を産みだし、アップル社のジョナサン・アイブといったデザイナーにも影響を与えた人です。

ディーター・ラムスがデザインしたSK-4レコードプレーヤー
参照:
http://www.en.ozartsetc.com/2012/01/02/sk4-record-player-by-dieter-rams/

こうしたエピソードから想像できることは、マグカップやタンブラーのデザイン、実はその背後に、こんな工学機器のデザイン感覚があるだろう、ということです。レコードプレイヤーやスライドプロジェクターといったメディア家電デザインにも繋がる機能と美への感覚が流れていると推察できることです。ボダムのプロダクトは、そういう次元でデザインという世界へアクセスしている。実際、今ではミキサーなどキッチン家電のプロダクトも出しています。

こんなスタンドミキサーなどキッチン家電も出している
参照:
http://www.weddinggiftsdirect.com.au/blog/?p=3636



手仕事の感覚と工学の感覚

一方で、手仕事の職人世界で製造している。
例えばここで紹介したBISTROシリーズのマグ、PAVINAシリーズのタンブラーグラスは、吹きガラスの製法による職人の手仕事で作られています。ボロシリケイトガラスという耐熱ガラスで、一般的なガラスと比べ、耐熱性が高く、薄くできていて、きわめて職人的なプロダクトです。

吹きガラスの手仕事であることを示すマーク

そう考えていくと、ボダムには、芸術や工芸といった手仕事を生活の中へ取り込もうとする、まるで19世紀のウィリアム・モリスみたいな感覚があるといえます。同時に、家電へと繋がっていく工学デザインの感覚、20世紀のバウハウスに端を発する感覚もある。
どっちかを切り捨てる形で進んでいくのが、プロダクトデザインの運命のようなところがありますが、不思議とボダムには、両感覚を含み込みながら並走させるところがあるようで、そこがブランドのかけがえのない価値になっています。

ボダムのマグカップを生活の中で使うということは、そういう感覚を生活の中に溶かし込んでいくということだと思います。




写真のアイテム(右から)




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2014年6月6日金曜日

ほんとうにボーダー女子はもてないのか?

ボーダーである。そして今日はマイケルコースからこのようなバッグが入荷。


それはそうと、おさらいすると、2014春夏女子の流行大本命はマリンボーダーということだった。
「ボーダー柄はカワイイだけじゃなくウケもいい」
「ボーダーの服きてる女の子って誰でもかわいくみえる」
などと、シーズン初め、盛り気味に囁かれた。
私の職場でもボーダー女子が続出し、雨の今日も社内だけはハッピー模様である。

しかし私は憶えている。2年ほど前に、こんな本が出版されたことを。
「ボーダーを着る女は、95%モテない」
参照 : http://news.livedoor.com/article/detail/6317287/

著者によると、「彼氏いたことないんです」という相談にくる女性のほとんどが着ていたのがボーダーだったというのだ。
バカな…。
ほかに調べてみると、「美人じゃない女性がモテファッションを着たところで“ブスのくせに勘違いするな”って言われそうだから、そういう空気の読める美人じゃない女性が、ベタなモテファッションを避けて、あえて男っぽい格好だからという理由でボーダーを着ている」
悲しいまでのボーダーネガティブ論である。

「ボーダー女子」と打った時のグーグルのサジェストワードまでが悲しすぎる。


ほんとうにボーダー女子はもてないのか?



ちなみに、ボーダーもの定番中の定番といえばこれです。

» マックスマーラのニットワンピース

» モンクレールの半袖ニット

» マイケルコースのラウンドファスナーマルチケース




2014年5月15日木曜日

ポルペッタ:遊びは、もっと真剣な行為じゃないのか?




足元が主役! 大人のファンタジーシューズ

今、ほとんどの人が遊びという言葉を勘違いしている。
友だちと酒を飲む。彼女と食事に行く。踊りに行く。ハズしの効かせたオシャレをする。そんな折々に、冗談を飛ばし合う。
つまり、何気なく、軽く、自分をこの世界に泳がしてみる。
人はそれを遊びと言う。
遊び?
違う。それは日常の延長、安全な日々の行為だ。
遊びは、もっと真剣な行為じゃないのか?
それは時に社会通念に対して博打を打つことじゃないのか?
自分が本当に信じることのできるもので自己を勝負することじゃないのか?
その友人関係は次会って酒を飲めば亀裂が生じるかもしれない。なぜなら掛値なしで互いを語る腹づもりだからだ。今度踊りに行けば人は廃人になるかもしれない。なぜなら本気で舞踏の魂へ自己投入するからだ。
服や靴も同じこと。
かつて、その服、その靴を身に纏うということが、そうした人生を選び取ることを意味した時代があった。そこには本当の遊びが潜んでいたはずだ。そして生き方と直結した身のこなしを、人に与えたはずだ。
「ちょっとオシャレにハズしを効かせて」
そんな生ぬるい態度は通用しない。
今、人はもっと、本気で遊ばねばならない。


ベルベット素材の靴を外履きに使う。これは本気だ。

貴族の紋章や伝統柄が刺繍された、まるでルームシューズのような外履き靴。海辺をひたひたと散歩するために、ちょいとつっかけて。そんな情景からつけられた別名はリゾートスリッポン。
ヨーロッパでは馴染みのあるこのハイソなシューズスタイルが、今、ポルペッタ(POLPETTA)の登場で日本を驚かせている。
というのも、「ベルベット素材の靴を外履きに使おう」、普通に考えたら「やめよう」だが、その普通が通用しない。極薄のアウトソール。これもヤバい。でも、そうした通念はここにはない。
何が鮮烈で何がカッコ良く何が美しく、何をもって機能的と言うのか、ポルペッタの靴は真剣だ。真剣に遊び靴を目指している。そこらのチャラ靴とはテンションが違う。
生ぬるい靴ではない。

ブランド名は、イタリア語で肉団子を意味する。どういうことか、ブランドに訊ねてみた。
漁師たちが、船上で絡まらないよう船用ロープをくるくると丸めて纏める。この丸まったロープのことを漁師うちで「猿の拳(モンキー・フィスト)」と呼ぶらしいが、この「猿の拳」にブランドのデザイナーが着目し(この時点で目の付け所がヤバいと思う)、新しい靴をデザインするための編みの研究に着手する。
こうしてレザーロープで「猿の拳」を再現するに至るが、どうも形状が肉団子に似ている。そこでさらに調べていくと、神社の鈴についている紐「叶緒(かねのお)」などにも同じ編みの技法が用いられていることが判明する。どうも古い起源を持つ人類的な技法であるらしい。(おそらくボッテガヴェネタにも通じるのだが、編みの技法というのは人類史の中でも旧石器時代まで遡れると言われるほど古い起源をもつ)。
結局、このモチーフは肉団子というシャレた呼称を得、ブランドの理念的な意匠になったのだが、その意味の奥は、こんな深い場所へと潜っていく。


刺繍の深い謎かけ

この深きへ深きへと入っていくダイブ感覚、なかでも面白いのが刺繍だ。
ポルペッタは今季、ナポリをテーマにした刺繍シリーズを発表しているが、これがなかなか興味深い。
昔のナポリ人はスパゲティを手づかみで食べていたという庶民史のエピソード。それをまるで女の繊細な手が心臓でも摘まんでいるようにデザインした「SPAGHETTI」。
昔のナポリ人は尖った物こそ神へ近づくための御守りとして、牛の角を象ったアクセサリーを身につけた。そんなエピソードにちなんだ「CORNO(角)」。
ほかにもナポリの伝統的な風刺劇に登場する「PULCIANI」。それは幸福を呼ぶ道化師なのだという。
さらに片足だけにキスマークを刺繍した「BACCI」。両足にキスマークがあると浮気者になってしまうからだという。
いったいこのエスプリを誰がわかるのだろう、そんなイメージを謎かけのように仕掛けてくる。説明を受け、ブランドが持つイメージ背景の豊かさに気づかされる。


キツめの履き口がポイントに

確かにルームシューズらしい繊細さ、しなやかさ、装飾性を引き継いでいるが、あくまで外履きとしてアウトソールは意外にレザーでしっかりと作られているのは要注目だ。そして何より履き口がルームシューズとはまるで違う。かなりキツめにできている。踵が浮くようなことはない(附属品として靴ベラをつけるという徹底ぶり)。履き馴染んできたときにいちばん心地よくフィットするように計算されている。
靴のデザイナーは本来、その構造上、職人としての知識や修練が必須であるといわれるが、そんな強みがポルペッタにははっきりと出ている。華やかな見た目の奥に、実はなにより機能的な靴であり、隠された意味を持つ、そんな靴である。


コーディネート実践編

「足元が主役になれる大人のファンタジーシューズ」
これはポルペッタが掲げるキャッチコピーである。ポルペッタを履くなら、やはりポルペッタを軸にして着こなしを考えるべきか。同ブランドのアンクレット(ブレスレットにもなる)にも注目し、フランス、イタリアのトリコロール色の2パターンで着こなしを紹介。


1.ジャケパンスタイルで


ブルーとホワイトをメインにしながら、靴の刺繍とアクセサリーで赤を挿したフランスカラー。ボーダー柄のマリンカットソーに麻ジャケと麻ストールが本気でリゾートしてます。ブラックに近い深いネイビーカラーのシューズが、淡いウェアのカラーリングとコントラストをつけ、メリハリのあるスタイルに。


使用アイテム
» シューズ(POLPETTA)
» アンクレット・赤(POLPETTA)
» アンクレット・白(POLPETTA)
» アンクレット・青(POLPETTA)
» 綿麻混ジャケット(BOGLIOLI)
» 長袖カットソー(SAINT JAMES)
» ボトムス(MASONS EMS)
» ストール(FALIERO SARTI)
» ベルト(TIBERIO FERRETTI) 


2.ショーツに合わせて


鮮やかなグリーンのポルペッタシューズ。このカラーは他にないという理由で、ブランドでも売れ筋になっている一足です。ざっくりとしたショーパンにポロシャツ、ならよくありますが、そのポロシャツをパンツインするというのが、本気リゾートスタイルです。グリーン、ホワイトに、アクセサリーとベルトで赤系カラーをさりげなく配し、こちらはイタリアバージョン。


使用アイテム
» シューズ(POLPETTA)
» アンクレット・赤(POLPETTA)
» アンクレット・白(POLPETTA)
» アンクレット・緑(POLPETTA)
» ポロシャツ(BOTTEGA VENETA)
» カーディガン(JOHN SMEDLEY)
» ハーフパンツ(J.W.BRINE)
» ベルト(TIBERIO FERRETTI) 



» ポルペッタのアイテム一覧はこちら





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2014年4月11日金曜日

ティベリオ・フェレッティ : ベルト、この美しく怪しげな花飾りよ。



フィレンツェ人が仕掛ける蠱惑のアクセサリー

ジャケットの下から覗くウォレットチェーン。その間を縫うように、男はポケットに手を入れる。裾が上がる。ベルトが見える。華やかな刺繍の入ったベルト。オレンジの花が咲いている。
「なんですかそれ、かわいい」
同僚M子(28歳)が言う。
ふだんは対上司の口しか利かない彼女が発した、急に距離を縮めるような言葉。男はゾクっとした。
いまだかつて、こんなズルいベルトがあっただろうか。

同僚A美(24歳)が自分のバッグを抱えながら、棚の最上段を見上げている。
男は言う。
「入れようか?」
「あ、え?」
「ここに入れればいい?」
「あっ、はい…お願いします」
男はバッグを取る。長い腕を棚に向けて伸ばす。ジャケットの裾が引っ張られる。その瞬間。ふたたびあのオレンジの花が顔をのぞかせる。バッグは難なく棚に収められる。たちまち花は姿を消す。
A美は緊張したように礼を述べる。
そしてしばらく間を置くと、今度はほどけたように表情を変え
「素敵ですね」と言う、「そのベルト」
その言葉がベルトにだけ言われたのではないことを、男は理解する。

こんなことが幾度も繰り返されるうち、男はベルトを意識するようになった。
そして学んだ。
ベルト、この誤解に満ちた事物よ。
こいつはズボンを腰に繋ぎとめておく用具などではない。
それは女の視線を奪い取る魔術的なアクセサリーである。
腕にブレスレットを巻くように、腰にベルトを巻く。
どこまでも華やかに、無益に、美しく、怪しげに、蠱惑的に。


ベルト。それはアクセサリー。色、柄、刺繍。そしてバックルのデザインも多彩な魔術的装身具。

ティベリオ・フェレッティの与えた衝撃

ベルトは腰に据える「飾り」である。
ティベリオにとって、ベルトとはそういうものだ。ベルトをアクセサリーという位置づけに本格的に切り替えてしまおう。ティベリオの登場が衝撃をもって受け入れられた理由は、まさにこの概念チェンジ、考え方の決定的な修正だ。
ラルディーニといいいPT01といい、イタリア人はウェアに花飾りをするのが好きだ。でも、ティベリオの花飾りはもっと大胆である。ベルトであることをやめたのだ。アイテム全体をして純粋な飾りとなり果てたのだ。変幻自在に、自信満々に、色踊らせながら。
わざと長めのサイズを身につけ、先端を垂らす。わざと一回捻りを入れて巻く。イヤらしい遣り口だ。
つまり腕にブレスを巻くように、腰にティベリオを巻けというのだ。
このブランドはベルトのほかブレスレットを手がけている。すべてリゾームのように繋がっている。装身具という、一貫した思考の線が浮き上がってくる。
バックルが凝っている。有り型は使わない。一見ふつうのビジネスベルトに見えるものも、バックルの形状や質感が絶妙に違う。装身具としての現れだ。それが独特な雰囲気を醸し出す。そしてこれまでのベルトとは、まるで違った何かとなる。


ティベリオ・フェレッティがベルトのほかブレスレットを手がけているのには、必然の繋がりがある。


コーディネート実践編

オシャレするためのベルトだから、着こなしが肝要。どこまでもチャラく軽やかに振る舞いながら、ちゃんと蠱惑的に悪の風を吹かせる。重い存在感を忍ばせる。それが肝要。ただの能天気なチャラ男になるのだけはダメだ。アホっぽく見えてしまうから。
そしてベルトは絶対に締めない。添えるのみ。ロープで腹を締め上げるようになってしまうローストビーフ現象は、絶対にNGだ。

ベルトの個性が強いため、ここではウェアをなるべくシンプルにしてみせた例を2つ紹介。 



1.地中海式リゾートスタイル



色鮮やかな、まさにティベリオといった風情のベルトを絡ませるように2本。編み込みベルトは捻りを入れ、ループを通さずに巻きます。原色系のベルトに対し、抑えた色調のウェアを同系色でコーディネート。色のバランスと視線の動きを組み立てます。ブレスレットはベルトと同系色。こちらも視線のポイントとなるように。 

使用アイテム
» 編み込みベルト(TIBERIO FERRETTI)
» 刺繍ベルト(TIBERIO FERRETTI)
» ブレスレット BEIGE×YELLOW(TIBERIO FERRETTI)
» ブレスレット PURPLE×ORANGE(TIBERIO FERRETTI)
» シャツ(QJD)
» ストール(ETRO)
» ボトムス(G・T・A)
» シューズ(SALVATORE FERRAGAMO) 



2.男の街着スタイル



クールで、色気ふんぷん。ベルトとブレスレット、ティベリオアイテムを挿色となし、あとはモノトーンベースでコーディネート。赤ベルトに対し、ブレスレットは補色のブルー。
着こなし全体がシンプルなので、ベルトの編み込み意匠にバックルの凝ったデザイン性など、見る人の視線解像度も上がります。 


使用アイテム
» 編み込みベルト(TIBERIO FERRETTI)
» ブレスレット BEIGE×BLUE(TIBERIO FERRETTI)
» ブレスレット BEIGE×YELLOW(TIBERIO FERRETTI)
» レザーブルゾン(DOLCE&GABBANA)
» Tシャツ(EMPORIO ARMANI)
» ジーンズ(NUDIE JEANS)
» シューズ(LANVIN) 


» TIBERIO FERRETTIのアイテム一覧はこちら 





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2014年2月13日木曜日

デニム派彼氏とゴムパン派彼女の第一子、ディーゼルのJOGG JEANS


穿いて楽なパンツ、通称「楽パン」がトレンドキーワードになってます。
いったい僕たちはどこまで楽な方向へ楽な方向へと進んでいくのでしょうか?

「フォーマルウェア? ああ、スーツのことですね」
と現代人が言うのを、19世紀のヨーロッパ人が聞いたら、きっとびっくりするでしょう。
「そんな怠惰な格好で君は夜会に行くのか? 君が着ているそのスーツとかいう服、それは言ってしまえば、そう、パジャマだよ」と。

しかしパジャマとまではいわないにしても、それはオンでは着て行けないリラックスウェアです。

それがどういうわけか、エリザベスカラーや燕尾服のようなクラシックウェアがすっかり廃れ、服の世界全体がスライドするように緩んでいくうちに、とうとうスーツがドレスウェアの頂上みたいなところにきてしまいました。
その間、わずか150年。

じゃあスーツが抜けてしまったリラックスウェアゾーンに何がきたかというと、なんと、デニムなどという西部開拓民の労働着がスライドインしてきました。本来ならワークマンさんのようなお店で売っている労働着がスーツのゾーンに入ってきたのです。
そうやってデニムがだんだんフォーマル寄りにスライドインしてきて、ついに1950年代だったか60年代だったか、戦後のデザイナーがプレタポルテに手をかけ始めたころ、なんと、ジーンズはブランドのコレクションアイテムにまで這い上がってきたのです。
労働着から高額ブランド衣料へ。すごいスライドの仕方です。
そして、今、どうなっているか?
びっくりしますよ…。

現代人は、デニムすら窮屈に感じ始めているのです。
デニム穿いてベルトをしながら部屋でくつろいでいると、交際一年目の彼女がゴムパンを穿きながら言います。
「そんなの穿いて、窮屈じゃない?」
そんな世の中になってきたのです。

もはやデニムまでが窮屈に感じ始めた人類。
次に目指すはさらなるコンフォートな世界。
かくして人類は「安楽の完璧化」を目指し、交際一年目の彼女にならってついに禁断のゴムパンに手を出したのです。
スウェットパンツ、楽パン時代の幕開けです。

と、洋服の歴史を不敬ながら素描してみましたが、そんな流れで見る、ディーゼルの「JOGG JEANS」シリーズです。
まさに、デニム派彼氏とゴムパン派彼女との長い諍いと交際の果てに産み落とされた、新時代の楽パンです。それはデキちゃった婚から生まれた第一子、21世紀型モードの落とし子です。



以上、人類の堕落という観点からモードの楽チン化を眺めてみました。
でも実は、こうしたことが可能になる裏面では、人類の工学技術上の切磋琢磨があるわけです。
冬の厳しい寒さを解決するために火おこしの技術を手に入れ、石炭、石油の技術、そしてガス、電気、ファンヒーター、床暖房と、次々と切磋琢磨によって工学技術を高め、人類が堕落と安楽を手に入れたように。
この「JOGG JEANS」シリーズにも、当然そんな技術が潜んでいます。ジーンズといえば織りで、スウェットパンツといえば編みですが、「JOGG JEANS」シリーズは織りと編みを組み合わせる、という技術を導入しています。しかも円状に織るという独特な技術が用いられ、ジャージー素材の強い伸縮性、柔らかさと同時に、デニムの風合いを作り出しています。

まさにこうした人類の技術上の努力が、楽チン生活という人類の無努力を支えているわけです。
すごい話になってきました。

こうした工学上の知見を、ディーゼルは見事に計算式で表しています。











訳すと、

【ファッション乗根デニム】+【「パンツ分のスウェット」の楽チン乗】=JOGG JEANS

となります。意味が分からないという方もおられると思いますので、さらに訳します。

ファッション、つまり流行の数だけ乗算するとデニムになるような数値に、パンツ業界におけるスウェットパンツのシェア率を人類の楽したい気持ちだけ乗算するとはじき出される数値を足すと、ジョグジーンズになる。・・・・・・・というわけです。

すごいですね。
わからないですか?
これでも意味が分からないという人は、もうしょうがないです。
ジョグジーンズの本質がわからないか、ディーゼルというブランドがそもそもおかしいのか、のどっちかだと考えるほかないです。
僕自身はどうかというと、この数式の意味は分かりません。だから今のところ、ディーゼルというブランドがおかしいという見解に達しています。


前置きが長くなりました。
いよいよここからが本文です。
読んでください。
モダンブルーの大切な宣伝ですから。

そう、2011年夏の登場以来、これまでも、販売開始するとそのたびにすぐに完売してしまったJOGG JEANS。また今季もやってきました。2014春夏新作のJOGG JEANS。入荷したのです。デニムジャケットもあります。
ぜひ、チェックしてください!














JOGG JEANSの一覧はこちら
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODS_SEARCH?SEARCH_KEYWORD=JOGG JEAN

ディーゼルのアイテム一覧はこちら
http://www.modern-blue.jp/Page/GOODSLIST-24





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